探偵の独り言 その1

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単身赴任の方の調査をする案件が立て続けにある時期があった。探偵という仕事柄、何故か同じような傾向の依頼が続くことがよくある。
例えば、ある市の調査が4件続いてだったり、依頼人の住んでいる場所が一番近かったのは、5軒離れた近所からほぼ同時に依頼が入ったりなど。
不貞の調査に限らず、ストーカー被害がある地域で多く起きていたり、山形県内の中でもその年によって多くの調査がある地域に集中することがある。
それは、人口が密集している、いないにかかわらずなのであります、この謎はまだ解き明かされてはいない。
単身赴任は、他県から山形に赴任してきた方もあれば、家族を山形に残して単身で他県に赴任した方もいる。
内容は様々であるが、家族を離れての寂しさと、周囲には仕事の関係者以外は顔見知りがいないという開放感からか大胆な行動が目に付く場合が多い。
おそらく、自分の地元であればそこまでやるかというようなことまであり、不貞関係が分かりやすい調査でもある。

事例その1 単身赴任の夫が帰ってこない。
30代夫婦と8歳と3歳の子供の、4人暮らしで夫は会社勤めで、昨年の秋から200km程離れた県外の営業所に単身赴任となった。
家を新築したのと、子供が小学校に入ったばかりで転校は難しいとのことから、夫は一人で赴いた。
夫の会社は週末は休みなので、ほぼ毎週末には帰って来ていた。帰ってきて疲れている様子も見せず子供も面倒もみてくれるので、奥さんは落ちつたのかなと思っていた。
夫の様子が変わったのは、翌年の3月頃からである。毎週帰っていたのが、2週に一回になった。最初夫は疲れが取れないので、帰る気力と体力が大変だと妻に話していた。
妻も遠距離の移動を毎週は大変かと思い、しばらく様子を見ることにした。
しかし、最初は2週に一回が、半年後には月に一回帰るか帰らないかの頻度に変わっていった。子供たちのことを考えると可哀想で、夫にもっと頻繁に帰るように頼んでみたが、赴任先でのお客さんとの付き合いがあるとか、かぜをひいて熱が出たので行けなかったとか、いろいろと理由をつけてくることがあった。しかし、妻は仕事が大変と思い、理解しようと努力していた。
妻が夫の行動に不審を抱いたのはこの頃からである。帰ってきてもどこかよそよそしく、子供たちとのコミュにケーションも以前から比べると薄くなった気がする。
会社の携帯電話で休みの日も、メールとか電話で連絡を取っている。更に、妻が我慢できないことが起きた、上の子供の誕生日に帰って来れないと連絡があったので、「子供を連れて夫の赴任先に行きます」と言ったら、夫は「来ないでくれ、その日、お客さんとの大切な付き合いで他のところに行っているから、赴任先のアパートにはいない」とのこと。

そこで、相談に見えられた。これまで、こんな夫を見たことがない。
しかも、真面目な性格でありもしかしたら仕事の疲れで鬱状態かも知れないし、どこか調査をするのは罪悪感がある。
そこで、子供の誕生日の日に本当に夫は会社のお付き合いなのか確認する調査から行った。

子供の誕生日の日、赴任先の夫は、20代の女性と幼稚園くらいの女の子と旅行に出掛けていた。
誕生日の前日から出かけていて、3人は観光名所のホテルに宿泊し、翌日は人気のある遊園地に行く、その日は特別なイベントの日であった。
その光景はまるで普通の家族のようである。
近くで調査員らが会話を聞いていると、子供の口から「パパ・・」という単語が出てくる、調査員同士顔を見合わせ苦笑い。
その後も、調査を続けると、夫は赴任先のアパートには帰っていない、毎日この女性の家に泊まっている様子。
朝、子供と女性と単身赴任の夫が女性の家から出てくる。
子供を保育園に送った後、夫と女性は、同じ会社に入る。
他の日、夫と女性とその子供と3人で手を繋いで、近くのスーパーに買い物に行ったり、夫が女性の家のゴミを出しに行ったり、近所から見たら再婚したのかと思われるくらい。
夫は長いこと赴任先のアパートには帰っていないらしく、先月の電気の検診の紙がドアのポケットに挟まったままである。
レースのカーテン越しに部屋の中が見えるが生活感がまるでない様子。
これでは、奥さんがアパートに来たら生活していないからバレてしまう。
結末はこんな感じでした。
真面目な夫は、上の子の来週末の授業参観には行くらしい。
真面目だけが取り柄の夫と評価していた妻、不倫も真面目すぎるというかここまできたら暴走である、このあと真面目夫にブレーキがかかる。