山形の探偵 独り言 その13

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探偵という生業を山形で長年やってきたからこそ分かったことがある。
ポイントは山形という地域ならではのことである。
探偵とかなり近いポジションの仕事があることに気が付いた。

例えば盗撮発見という業者があるが、都会では需要があり仕事になるかもしれないが山形のような地方では需要は少なく専門業者はいない。
便利屋さんという仕事も近いかもしれないが、探偵業法という法律があり、業務に関して厳しく制限されていて相談者の役に立つことは余りない。

その答えは、占いやお祓いをする仕事である。
占い師さんやお祓い師というか拝み屋さんに相談をなされていることを、ご相談者の方が語ってくださる。
占い師さんや拝み屋さんに、配偶者やパートナーの浮気を「災い」として、今の状況や未来を占っていただく、あるいは別れるようにご祈祷していただくというものである。
山形には古くから、先祖の霊を降ろす「いたこ」のような方や、神様と繋がったご祈祷師さんのところに行き、ご先祖さまや神様からのメッセージを聞いたり祓っていただく風習がある。
自身も子供の頃に彼岸やお盆近くに祖母に連れられて、「いたこ」さんのところで先祖の霊を降ろしてお話しを聞いたことを思い出した。ご先祖様は家族の事を心配してアドバイスをくださると祖母から聞いていた。
占いやお祓いを職業としてではなく、知り合いから頼まれた方限定でそのような頼み事を引き受けてくださる方もいると聞いた。
要は、トラブルを抱えた方が目の前にある困りごとや悩み事を解決したい思いからである。
誰もが幸せになりたいと願うから、「災い」を取り除きたいと思うのである。
探偵社に相談に来られた多くの方から聞くことができたから知り得た事実である。

しかし、占い師さんやご祈祷師さんのところで、全て問題が解決した方は探偵社に来てこのようなお話しをすることは無かったと思います。
探偵社にご相談者に来られる方の中には、このような背景があるのです。
意外と思われるかも知れませんが、オープンに相談出来ない悩みだからでしょう。
「占い師さんやご祈祷師さんから、浮気は間違いないから急いでその証拠を取って来なさい、そうしないとパートナーは戻ってきません。」
「占い師さんやご祈祷師さんは、浮気をしている状況は見えている先ずは探偵に調べてもらったほうがいい、とおっしゃっていました。」
中には、探偵社はここにしたほうがいいと占い師さんやご祈祷師さんからアドバイスをいただいて、弊社に来られた方もいます。
勿論、その占い師さんやご祈祷師さんは見たことも聞いたことも会ったこともない方でしたが。

ご相談者の窮地からの脱出を援助する役割の中で、「思い」の分野でフォローする占い師さんやご祈祷師さん、実務として調査という「アクション(行動)」の分野でフォローする探偵社の繋がりである。
最近は若い方を中心に、「思い」の分野のフォローがSNSに移行しつつある。
知らないうちにSNSの相談から探偵社に繋げるシステムで、巧みに悪質な調査の依頼に引き込むような探偵社もいます。宗教勧誘や霊感商法、誹謗中傷、間違ったアドバイス等、人の弱みに付け込んだようなことがたくさんあります。
占い師さんやご祈祷師さんより科学的で一見合理的に見えるかもしれないが、そこにも大きな落とし穴があることをいつかお話ししたいと思う。