うまくいく人、うまくいかない人 その3

NO IMAGE

うまくいく人、いかない人 その2より続く

探偵の頭に思い浮かんだのが、老獪な狸親爺のようなあの弁護士である。
元検事のあのキャラなら何とかなるのではないか?

そこから、依頼者と弁護士との綿密な計画が始まる。
母親の親権を取り返すだけの十分な証拠、質×量 が両方満たしていなければ、
と言うかなり難題でレベルの高い注文が探偵に課された。
「ジグスさんにお任せすれば大丈夫ですよ。」とは狸親爺の弁護士のセリフ、かなりプレッシャーかけてくれるじゃないですか、まあ長年の付き合いだから仕方ないけど、あとはやるしかない。

10日にわたる調査は思ったより困難な場面が多々あった、山あり谷ありの毎日だった。メンタルの強さだけが取り柄の探偵もさすがに疲れが見えた来た。
しかし、終盤に来た頃、決定的な場面が何度か出てきた。
不貞行為だけじゃない、子供への虐待とも取れる暴言、暴力が取れたのでした。

待ち望んだ報告書が出来上がった。
150ページに及ぶ大作である、内容の写真は母親と不倫関係の男性の様子をリアルに撮ってある。
しかも、母親が家を空けて男性と会っていた時間に子供たちがどのようにして過ごしていたか、育児放棄や暴言、暴力されていたのも含めての記録である。
まさに、ドキュメンタリーの物語を見ているかのようである。

さて、老獪な狸親父の弁護士はどんな反応をするだろう、この弁護士は仕事きっちりやるタイプなだけに、書類のチェックにもかなり厳しい。
眼鏡を額にあげたり、また、掛けたりの仕草、重要な部分は何度も見ている。
弁護士は報告書をおいて語り始めた。
「ジグスさん、よーくここまで調べてくれた、これなら、依頼人の思う方向に動きます、あとは、我々に任せて下さい。」
同席した依頼者の目には涙が溢れていた。


うまくいく人、いかない人 その4 に続く・・・